業種別システム |
水産加工業
焼き魚・・・解凍焼成
えび、かに・・・解凍調理
タ コ・・・解凍ボイル焼成
水産練製品・・・蒸し焼成
食肉加工業
焼 肉・・・冷凍焼成
唐揚げ・・・バッタリングノンフライ
惣菜業、他
野菜一次加工・・・新鮮野菜ブランチング
ブリフライ・・・バッタリングノンフライ
焼きおにぎり・・・空焼き焼成
グラタン・・・解凍調理
珍 味・・・乾燥焼成
スポンジケーキ・・・焼成
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システムの概要 |
・蒸気ボイラー飽和蒸気(750〜1500s/hr)
▽(蒸気配管)
・蒸気加熱器過熱蒸気(最高140℃)
▽(特殊高温配管)
・処理機焼成コンベア(処理温度調整)
▽(特殊ノズル)
排気(120℃)及び熱交換(水と置換)
《オプション》特殊噴射ノズル、バーチェーン、
焦げ目付け装置
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過熱蒸気とは |
過熱蒸気とは「飽和蒸気に熱を加えたもの」をいい、大気圧
では100℃以上の温度の蒸気のことを指す。
・過熱蒸気の特性
熱伝導性が高い 空気:λ=0.0257(W/m・k)
加熱蒸気:λ=0.594(W/m・k)
ガス加熱・電熱加熱と同じ放射性ガスなので
「放射伝熱で物を焼く」事が出来る。
乾燥能力が高い(逆転点の存在)
一般の低温空気中では、通念どおり空気中の水蒸気の
混合割合が増加するほど、(湿度が高くなるほど)
水の蒸発速度は減少する。ところが右図の通り、
この関係は170℃付近で逆転し、それ以上の温度下
においては逆に、空気中の水蒸気の混合割合が増加
するほど、水の蒸発速度が増加する。
歩留りが非常に良い。
スキンエフェクト効果により旨味成分を封じ込め、品温
上昇が早く処理時間が短いため歩留りが良い。 |
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システムのフロー |
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加熱空気加湿型との比較 |
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加熱キャベツにおけるビタミンC・ミネラル・クロロフィル残存量比較 |
異なる加熱処理による、キャベツ中のビタミンC量、ミネラル分、クロロフィル量の
残存量をまとめて表1に示す。
表1より、ビタミンC、ミネラル、クロロフィルの残存率は過熱蒸気加熱が最も優れている事が判る。
更に、過熱蒸気加熱ではボイルに比べて甘味が残ることが判っており、栄養分の残留がはるかに
高いと思われる。 |
表1 異なる加熱処理によるキャベツ中の成分変化表 |
加熱方法 |
総ビタミンC |
ミネラル |
クロロフィル |
水分 |
光沢 |
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(mg/100g) |
(%) |
(ppm) |
(%) |
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生キャベツ |
224 |
0.6 |
10 |
93 |
- |
ボイル |
109 |
0.4 |
12 |
94 |
良好 |
炒め |
175 |
0.7 |
8 |
91 |
褐変 |
過熱蒸気 |
260 |
0.9 |
13 |
87 |
良好 |
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用語の解説
・熱伝導率:熱が物質中の高温の部分から低温の部分へ移動する割合を表す。
・放射性ガス:各種の粒子線やX線、赤外線などの電磁波を放出するガスの総称。
・放射熱:放射線が物体に吸収されて生ずる熱。赤外線に著しい。輻射熱。
・飽和蒸気:大気圧(1気圧)の状態で温度100℃で沸騰し、蒸発した時の
蒸気を飽和蒸気という。
ボイラーから出力される蒸気は加圧された状態での飽和蒸気となっているため
120℃程度(2kg/cuG)の出力となる。
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終わりに |
この装置は、過熱蒸気を利用して対流伝熱と放射伝熱を併せ持つ熱放射性ガスとして用いることで、
低酸素雰囲気下で解凍より焼成まで幅広いクッキングに対応し、他の調理システムに比べ
酸化しにくく短時間に処理できる特徴を有しています。
空気の遮断された加熱は味への影響をもたらしています。味の判断基準は様々ですが、
従来にはない味の創出は、新しい味の開拓という意味だけにでも過熱水蒸気の利用を一考せしめる
ものです。
更に蒸しと乾燥を同時に必要とする茶、麺類、ポテトチップスなどには最適な調理方法であり、
冷凍物の解凍、加熱にも同一機種で行なえるメリットを有します。蒲鉾、天ぷらなどの揚げ物では、
粉末油脂などを用いて、使用油脂の少ないサクサクしたヘルシーな揚げ物を作る事が出来ます。
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